「ね、する?しない?どっち?」 茶色く澄んだ瞳があたしを捕えて離さない。 きっと、こうやって見つめられて『する』か『しない』か聞かれたら、 大半の女の子は『する』って答えちゃうはず。 一度だけでも味わってみたい。 彼の味を……――。 だけど、その味を知ってしまえばきっと紫苑とは終わる。 屋上でこうやって一緒にいることも、しゃべることもできなくなってしまう。 紫苑に抱かれたとしても、紫苑があたしを愛してくれるわけがないんだから。 だからあたしは……――。