「さっきの人、彼女なの?」 違うって分かっていても、聞かずにはいられない。 何気なく尋ねると、紫苑は首を横に振った。 「違うよ。仲良くしてる先輩」 「仲良くって、何してるの?」 「何って、分かんない?男と女がすることって、一つでしょ」 馬鹿にしたようでも嫌味でもなく、どこか不思議そうに答えた紫苑。 分かってる。それくらい分かってるよ。 だけど、やっぱりどうしても信じられなくて。 紫苑が女の子をコロコロ変えているっていうことが……。