キスフレンド【完】


「あっ、これ可愛い!!」


商品の指輪にそっと手を伸ばす。


シンプルなシルバーの指輪。


右手の薬指にはめてみるとサイズもピッタリで。


指を開いて指輪を眺める。


こういうの彼氏にもらえたら、最高に幸せだろうなぁ。


ふとそんな妄想に浸っていると、紫苑があたしの手首を掴んだ。


「これください」


紫苑は店員さんに声をかける。


「ちょっ……紫苑?」


「いいから」


「でも……」


紫苑は慌てるあたしを横目に、さっさと会計を済ませた。