キスフレンド【完】


「いいよ。姫が行きたい所なら、どこにでも連れて行ってあげるよ」


「ホント?」


「本当。俺、嘘はつかないって言わなかったっけ?」


「ふぅん。じゃあ約束、ちゃんと守ってね?」


右手の薬指を立てると、紫苑は「うん」と言いながら、自分の薬指を絡ませた。


指きりげんまん。嘘ついたら針千本のます。



「俺、針千本はのめないかも」


「約束守るなら大丈夫でしょ?」


その時、フッと笑った紫苑の瞳があまりにも寂しそうで。


「ちゃんと約束守ってね?」


「分かってるよ」


何故かすごく怖くなって、念を押してしまった。




きっと、この時には全て決まってたんだね。


あたしと紫苑の運命は……――。