PM9:43 【今日は友達の家に泊まる】 と母親にメールを送っていた姫。 「あたし、ちゃんとシロのこと送り出してあげる」 決意したようにそう言った瞳に嘘はない。 でも、シロの頭を撫でる指先は小刻みに震えていて。 俺は床にあぐらをかいて一分でも一秒でも長くシロといられることを願った。 でも、残酷なことにシロの命のタイムリミットはすぐそこまで来ていた。