「……――シロ、どう?」 家のチャイムが鳴り扉を開ける。 慌ててきたのか、いつも真っ直ぐな姫の髪はほんの少しだけ乱れていた。 姫も分かっているんだ。 シロがもう長くないと。 「今、ちょうど寝たところ」 「……そっか」 「姫が来てくれて、シロも喜ぶよ」 姫を部屋に招き入れると、俺はさっきの獣医の話を姫に伝えた。