「ねぇ、姫。シロに楽しい想い出……たくさんつくってやろう?」 「……そうだね」 「俺、このままじゃなんか後悔しそうで」 紫苑は眠っているシロの頭を指先で優しく撫でる。 「シロの命は……多分、もう長くはないから」 その声がほんの少しだけ震えている気がして、あたしはキュッと唇を噛んだ。