あっ……。 その時、ふと紫苑と目があった。 未だに先輩は紫苑に何かを喋りかけている。 だけど、紫苑はジーッとあたしを見つめて口を動かした。 え……?なに……? 首を傾げると、紫苑はフッと笑ってもう一度あたしに視線を向ける。 お、く、じょ、う。 屋上。 今度はさっきよりはっきりと口を動かしてくれたから分かった。 二回頷くと、紫苑は先輩の方に向き直ってさっきと同じようにぼんやり話を聞いていた。