あたしは胸に秘めていた想いをお父さんに全部伝えた。
1時間以上かかったけど、多分8割くらいは伝えられたはず。
一つ一つの想いを言葉にするのはすごく恐かったけど、伝えるほどに気持ちが軽くなって。
胸の中がスーッとして、すごく気持ちがいい。
「もう家出なんてしないでくれよ?友達の家に外泊する時は、ちゃんと確認もとるからね?」
「お父さんって極端。なんか今度は逆に口うるさくなったもん」
「こっちが本当の僕の姿だよ」
和やかなムードが漂うリビング。
わずかに開いた扉の向こうにお母さんと遼くんの姿が見えた。
二人は顔を見合わせると、満面の笑みを浮かべていた。



