「お母さんと遼は2階で遊んでいてくれないか?」 お父さんの言葉で、お母さんと遼くんは2階に上がっていった。 部屋の中にはお父さんとあたしだけ。 張りつめた空気の中、お父さんが口を開いた。 「家出の原因はなんだい?お父さんに話しなさい」 お父さんの口調がいつもと違う。 何だかほんの少しだけ無理しているみたい。 お父さんはいつだって命令口調であたしに何かを言ってきたことはないから。