「俺、もう手当たり次第ヤルのやめることにしたんだよね」 「え?」 「悪いけど、他当たってよ」 頭で考えるよりも先にそんな言葉が口をついた。 さっきナナちゃんに警告されて一つだけ分かったことがある。 俺は姫を傷つけたくない。 それがどんな形であれ、姫だけは絶対に……。 「紫苑君~そんなこと言わないでよぉ~!!」 「ごめん」 彼女の肩を押し退けようとした時、保健室に誰かが入ってきた気配がした。 そしてその直後、クリーム色のカーテンがわずかに揺れた。