キスフレンド【完】


「……実は、理子のことでちょっと紫苑君に話があるの」


「そうだろうとは思ってたけど」


未だに俺と目を合わせようとしないナナちゃん。


チラチラと俺に視線を向け、目が合いそうになると慌てて反らす。


その反応が露骨過ぎて、俺はクスッと笑ってナナちゃんの言葉を待った。



「単刀直入に聞くけど、紫苑君は理子のことどう思ってるの?」


「姫のこと……?どうって、例えば?」


「あのね、こんなこというの失礼かもしれないけど、紫苑君に良い噂は聞かないから……」


案外ズバッと言うんだ。


だけど、それなら話が早い。