『たまには、あたしにも甘えてよ。紫苑の弱いところ見せてよ』 姫は昨日そう言っていたけど、多分俺は姫に甘えている。 多分、一番弱いところも昨日見られた。 『また無理して笑ってる』 そう言われて、姫には何もかも見透かされているような気がした。 だけど嫌な気持ちはしなくて。 姫を抱きしめた時、少し前までの最悪な気分がほんの少しだけ晴れた。