キスフレンド【完】


紫苑は何て言うんだろう。


紫苑の唇に意識を集中した時、


「か…あさん……」


紫苑の口から零れた途切れ途切れの言葉。


その言葉と同時にあたしの手からするりと紫苑の手が離れた。




「ハァ……。また会ったわね?」


ハイヒールのコツコツという音を辺りに響かせて、あたし達の元に綺麗な女性が歩み寄った。