キスフレンド【完】

「いかないよ。姫は俺にとって特別な存在だから」


すると、紫苑はフッと柔らかい笑みを浮かべた。


『特別』という紫苑のその言葉に、胸がトクンっと小さな音を立てる。


「特別?」


「そう。だから、簡単に抱いたりしない」


「じゃあ、一生あたしを抱かないってこと?あたしとはエッチしないんだ?」


物凄く恥ずかしいことを口走っているのは分かっているつもり。


だけど、止められない。


聞ける時に聞いておかないと、今度はいつ聞けるか分からないから。


今が絶好のチャンスだ。