キスフレンド【完】


紫苑がものすごくカッコいいから?


学校一のイケメンで頭もいいしスポーツもできるから?


全てパーフェクトだから?



なんだか、どれも当てはまっているようで、どれも違う気がする。


男の子は紫苑だけじゃない。


それなのに、なんで紫苑じゃなきゃダメなんだろう。


紫苑をどんなに好きになったって、報われることはないのに。


好きになればなるほど、最後に傷付くのは自分なのに。


それなのにどうして……――。




「姫、そろそろ出る?」


「……だね」


店を出ると紫苑は自然とあたしの手を掴んだ。


「姫が俺の連れだって分かる様にしないとね」


何気なく放った紫苑の台詞にいちいちトキめいて。


繋いだ手に紫苑の熱を感じて、全身が熱を帯びて。


だけど、反対側の手にわずかな振動を感じて、熱は一気に冷めていく。