「姫、いい加減機嫌直してよ」
男達が去った後、あたしと紫苑は近くのファーストフード店にやってきた。
ストローでチビチビとオレンジジュースを飲むあたし。
「怒ってると、可愛い顔台無しだって」
紫苑はそんなあたしのご機嫌を取ろうと、柔らかい笑みを浮かべる。
本当は機嫌なんて全然悪くない。
どちらかっていったら良い方かも。
だって、紫苑とこうやって一緒にいられるから。
手を伸ばせばすぐに触れられるところに紫苑がいるから。
だけど……――。
「もう喧嘩しない……?」
あの時、もし紫苑があの男達に一発でも殴られていたら……。
そう考えると、いてもたってもいられなくなる。



