キスフレンド【完】


「姫は俺の連れだから。今後一切、手出さないでくれる?」


男を冷たい瞳で見下ろすと紫苑はクルッと向きを変えた。


そして、そのまま男達に背中を向けて歩き出した。


だけどその後ろでもう一人の男が紫苑に掴みかかろうとしていた。


怒りに満ちた目で紫苑を睨む男。


紫苑、後ろ!!


そう叫びたいのに、声が出ない。


どうしよう……どうしたらいいの……――!!