キスフレンド【完】


「どうした、じゃないよ。紫苑……逃げよ?」


「逃げる?なんで?」


「だって相手は二人だよ!?早く逃げなきゃ」


紫苑のマイペースぶりに内心ハラハラする。


一刻も早く逃げなきゃ。


小声でそっと囁くと、紫苑は「嫌だ」と言うなり、男達の方に向き直った。



「ちょっ……紫苑……!!」


嫌だってどういうこと!?


適当に誤魔化して逃げれば解決するのに!!


すると、紫苑は男達に無言で歩み寄った。