「どうした、じゃないよ。紫苑……逃げよ?」 「逃げる?なんで?」 「だって相手は二人だよ!?早く逃げなきゃ」 紫苑のマイペースぶりに内心ハラハラする。 一刻も早く逃げなきゃ。 小声でそっと囁くと、紫苑は「嫌だ」と言うなり、男達の方に向き直った。 「ちょっ……紫苑……!!」 嫌だってどういうこと!? 適当に誤魔化して逃げれば解決するのに!! すると、紫苑は男達に無言で歩み寄った。