キスフレンド【完】


「さぁ?なにって言われても答えようがなくない?」


「テメェ、ナメてんの?」


そっか……。


あたしと紫苑はキスフレンドだもんね。


答えようがないよね……。


紫苑の背中越しに、苛立っている様子の男達の姿が目に飛び込んでくる。


紫苑が今どんな顔をしてるのかは分かんない。


だけど、この状況はマズイ。


相手は二人だし勝ち目はないだろう。


紫苑の腕をクイッと引っ張ると、「ん?どうした?」と紫苑は振り返るなり、不思議そうにあたしの顔を覗き込んだ。