キスフレンド【完】


「俺の連れになんか用?」


その声と同時に、肩に乗せられていた男の腕が何かによって弾かれた。


見上げると、そこには恐い顔をした紫苑がいて。


紫苑のそんな表情……あたしは一度だって見たことがなかった。


紫苑は冷めた目で男達を睨みつける。


「ナンパすんなら、他当たってくんない?」


「……ハァ?お前、なんなの?」


男達は負けずに紫苑を睨み返す。


紫苑はあたしの腕を掴んで、あたしを自分の背中に隠した。