「……――紫苑の意地悪!!」 体を反転させて、再び俺と向かい合う形になった姫。 やっとこっちを向いてくれた。 満足して姫の髪に指を通すと、フワッと自分の物とは違う甘い匂いが鼻に届いた。 このまま、姫の全てを奪ってしまいたい。 そんな衝動に駆られて、思わず姫から手を離す。 理性を保っていられるうちに寝たほうがいい。 「おやすみ」 俺は姫の唇に軽くキスをして目をつぶった。