キスフレンド【完】


「あそこ、俺の昼寝スポットだから」


「……そうなんだ?」


「姫も一緒に寝る?」


「遠慮……しておきます」


彼に『姫』と言われて、ドキッとした。


みんなには『姫』って呼ばれても何にも感じないのに。


それなのに、紫苑にそう呼ばれると全身が熱くなる。



「ね、姫。さっきの誰にも教えないで?内緒ね」


すると、紫苑は自分の唇に人差し指を当てた。



「え……?」


「俺の昼寝スポット。お気に入りだから」


彼は明るい声でそう言うと、あたしの唇を人差し指でトントンと叩く。