【理子side】 「キミが噂の『姫』?」 屋上のフェンスのそばであぐらをかきながらあたしを見上げる彼。 茶色くて艶っぽい瞳。 少し眩しそうに目を細める彼の美貌に思わず目を奪われる。 「ねぇ、聞いてんの?」 クッと唇の端を持ち上げて首をかしげる彼は、今まで見たどんな男の子よりもかっこよくて。 女の子たちが夢中になるのも無理はない。 彼は人を寄せつけて離さないオーラを放っていて。 彼に見つめられていると思うだけで、クラクラしてめまいがしそう。