俺の成績表を指さして、見て見ろと言っている…


「こんな漫画みてぇなのなかなか見れないって!!」

「ぁ、全部“5”だぁ!!」


二人して俺の成績表を見て盛り上がっているけど、逆にバカにされてる気分になってくるのは何故だろう…


『もういいだろっ?!返せよっ!!』


そう言って自分の成績表に手を伸ばしたら、横から延びてきた別の手に奪われてしまった


「うわっ!!マジで漫画みたい(笑)」

『榊っ!!』


その手と声の主は榊で、すごいねぇ(笑)と言いながら俺に成績表を返してくれた


「若葉も同じ様なものでしょ?!」


と、一緒にいた空澄が榊の成績について話し始めた


「“5”がたくさん並んでるよ(笑)」

『どれどれ‥‥おー!!』

「ちょっ!!桃真っ!」


榊の鞄からはみ出していた成績表を引っ張りだして開いた


「やめてよ、桃真みたいによくないんだからっ!!」

『何で?いいじゃん!!』


そう言うと榊は


「社会と英語は“4”だし、家庭科なんて“2”だよ!女なのに…」


と、少し恥ずかしそうに呟いた


『榊らしいよ(笑)』


そう言うと、それって褒めてんの?貶してんの?だって。さっきの俺と同じ気持ちらしい。