「根岸、一緒に来い」 朝のHRが終わってから、先生があたしを横目で興味なさそうに促す。 進路指導。 公立で校則も教師も緩いこの高校。もう三年の一学期も終わりかけるこの時期、結局いつだって将来を求められる。面倒くさいけど、あたしは立ち上がって当たり前の様に先生の後ろに位置した。 別に、横に並ばないのに意味があるわけじゃない。 この人の後ろ姿が好き。 体格が、モロ好み。 廉みたいに均整のとれたスラリとした体型な訳じゃない。 どこがどーなんてうまくいえないけど。好みってそんなもんでしょ。