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結局、廉に抱かれて、意識を飛ばされても。



あたしと廉が『恋人同士』になんてなる訳ない。廉もきっと、『好き』なんて感情知らないんだと思う。


廉が何考えてるのかなんて分からない。

だけど、あたしを抱いた後、優しい声で落とした言葉は反則だ。



『茜ちゃんと出会ってからは茜ちゃんしか抱いてない。つまり、』


そんな言葉、信じられる訳、ないのに。




『茜ちゃんしかイラナイ』



そう言った、廉に胸が苦しくなった理由は知らない。



結局、あたしは廉の傍が嫌じゃなくて、



だけど




「…根岸」



あたしの目の前に座るこの人を求めてるのも確かで。曖昧な感情は終着点がどこか分からず持て余す。



「せんせ?」



「宣戦布告か?」




先生はそう言って


薄淡いキスマークとその横の赤い引っかき傷の様な歯形の残るあたしの首筋にそっと指を這わせる。





あたしは自分で思うよりずっと悪い女だと、その指先を見つめながら思った。




Fin