「…分かんない?」 沈黙したままの空気と蒸し暑い室内を裂くみたいに廉の声が低く響く。 「廉?」 あたしは未だに無表情なままの廉を見上げてその名しか呼べないでいる。 不意に、 押さえつけられた腕。 シングルベッドの上で廉があたしに馬乗りになる。 「…なんなの」 あたしはキッと廉を睨み付けた。