嘘と苺とショートケーキ 【短編】



『ラブラブだね、羨ましいなぁ』



思ってもいないお世辞を言った所為か、口元が自然と引き攣った。


幸いにも、2人には見られていなかった。



「月菜ちゃん可愛いから、彼氏なんてすぐにできるよ♪」



…名前呼びされた覚えは今の今まで一度もないんだけどね。


しかも、彼氏いない前提だし。


いや実際いませんけど。




………うん、やっぱり。




『ありがと。今から彼氏作ってくるよ。じゃあね!』


「えっ!?」


「ツキナ!」



やっぱり、そうだった。


ナオと冬薙さんがいちゃいちゃしてるところを見ても、なんとも思わない。


朝はそれが悲しくて悲しくて、号泣してたくせに。



あたしの心が完全に移ったってことだよね?



そうでしょ、呉暁。


軽い女だって思われるかな。


…それでもいっか。


呉暁は藍依が好きだから、藍依と彰哉くんみたいにラブラブにはなれないけど。


それでも、好きになったのは本当だから。






ちゃんと伝えて、真っ正面からフラれよう。