嘘と苺とショートケーキ 【短編】



呉暁の顔が綺麗だな、とか。


呉暁って思ってたよりずっと良い人だな、とか。




ただそんなことを、考えていただけだったのに。




「……あの、くら」


『ごめんなさいっ!!』



叫ぶように言葉を紡いで、あたしは急ぎ足で梯子を駆け降りた。


途中、足を滑らせて落ちそうになりながらもどうにか着地に成功した。


フラフラと覚束無い足取りで、地面を転がるようにして扉を目指す。



『ちょっ、待てよ、倉眞さん!!」



上から呉暁の声が聞こえたけど、待ってなんていられなかった。


だって、だって。


一体どんな顔で会えば良いのっ…!?


呉暁は藍依のことが好きだって、さっき聞いたばっかりなのに!!




『サイッテー…!』





ほんとあたし、最低だ。