嘘と苺とショートケーキ 【短編】



「まぁなんにせよ、倉眞さんが元気になって良かった」



へにゃりと目元を緩めて、呉暁が笑った。



―――ただのチャラチャラした男だと、思ってたのに。



そういえば授業は真面目に受けてるし、先生に当てられても動じない。


宿題を忘れて立たされることもないし、怒られてるとこなんて見たことない。


少し見た目が、派手なだけ。



……あれ?



呉暁って、こんなにカッコ良かったっけ?




「………っ、え」




いつの間にか強く瞑っていた目を開けた。


耳に残っているのは、呉暁が驚いている声。


……あれ、あたし…




「…く…倉眞さん…?」




あたしの右手は、しっかりと呉暁の腕を掴んでいて。


あたしの唇には、初めて知った柔らかな感触が残っていて。



『っ!!あ、あたしっ…!!』




キス、しちゃった。