嘘と苺とショートケーキ 【短編】



暗い気分を払拭するように、気になっていたことを質問した。



『呉暁さ、授業出なくて良いの…?』



普段は絶対にサボったりしない、あたし。


今日は泣き腫らした顔を見せたくなくて、屋上に避難してきたけど…。



いつもちゃんと教室にいるあたしはわかる。



呉暁が隣にいなかったことって、覚えてる限り片手もない。


つまり彼もまた、頻繁に授業をサボるような人じゃないってこと。



「んー…倉眞さんの顔もだいぶ良くなったし、2時間目から出るかな」



そう言いながら笑う呉暁は意外にも太い腕をしていて、それに釣り合ったゴツゴツした男物の腕時計に目をやった。


ちょうどあと5分で、1時間目が終わる。



『(………ってなにガッカリしてるの、あたし!)』



呉暁にこれでもかと愚痴を浴びせたあたしの心は、すっきりと晴れ渡っていた。


なのに、なんだか。


寂しいような、物足りないような。





よくわからない感情が、ぐるぐると心に渦巻いていた。