同時にまた身体を固められた。


でも、すぐに解かれた。




「驚いたな。俺の能力を相殺させるなんて」


「念力ぐらい、仲間にいる。
この程度でやられるほどの『W』じゃない」


「そうか。この施設は『W』の施設でもあるのか。
だから予想よりも早く着たのか」




話している最中、医師達が『空間』系の能力でアイドを攻撃した。


でも、当たってもビクともしない。




「ナナミさん、彼は本当に多才能力者か。
あれではまるで…」




私は答えられなかった。


でも、森下先生の言いたいことも理解していた。


アイドに会ったときに感じた感覚は夫と同じだった。




「接近戦で時間を稼げ。ただし、目を見るな」




森下先生の指示で待機していた接近戦部隊が一気に攻めに行った。


アイドは数人を相手に戦った。


医師達は『具現化』系で造った装備を使用して戦った。


アイドは数人を相手にしているのに一度も命中しない。


避けながら、刀を振った。


医師の『具現化』したものが二つに分かれた。


ポケットから右手を出し、医師に向けた。


次の瞬間、数名の医師が吹き飛んだ。


アイドが右手をポケットに戻す瞬間、後ろから大男化した医師がアイドにタックルを食らわした。


アイドは吹き飛んだ。


倒れると遠距離部隊の医師達が一斉に攻撃した。




「多才能力者の倒し方ぐらい訓練済みだ」




森下先生は笑みを浮かべた。