数分後、資料を読み終えた。






私は資料を膝の上に置いて目を閉じた。




今まで読んだ中でこんなにも理解できないものは初めてだった。








「どうだ。その資料から今後はどうすればいい」







私は伊藤君の質問に答えるのではなく、質問したかった。







「この資料は本当のことなの…この『Xファイル』と書かれた資料は…」







「確証はない。だが、本当なら俺達は次のステージに進むことが出来る」





「…次のステージ」








私の読んだ資料は『Xファイル』について書かれたものだった。
















内容を要約すると、この世界は現実世界ではなく、仮想世界である。


この世界から出る方法は二つあり、一つは現実世界から何かしらの入力をすることで扉が開く。


二つ目はこの世界から『超越者』の入力によって扉が開く。


前者は現実世界からの入力は不可能。


後者は現在『超越者』が存在するため可能。


扉は国『ダウ』に存在する『選択の石』とされる。


現在の問題点が二つある。


それは現実世界とこの仮想世界からの人口の差である。


この世界はソフトと人間の思考から造られたものであるため、出られる人間には限りがある。


次にそれを阻止しようと考えている者達。


それが『G』である。


『G』がこの世界を現実の世界にしようと裏で動いている。