クラス会は始まって一時間が経過した。






私は当時の担任だった綾瀬先生に挨拶へ向かった。












「綾瀬先生、こんばんは」






「こんばんは、白崎さん…違うわね、神山さん」





「いいんです。白崎で」




「わかったわ。でも、不思議な感じだわ」






先生は私を遠くで見ているような目で見た。









「先生…」







「先…越されたわ」






「でも、手紙で先生も今年結婚したと聞きました」









「そうだけど…もう私、今年で四十六歳よ。
若さがほしいわ。
教師をして十数年…生徒が無事に社会に出て立派に仕事をいている姿を見ていると嬉しいわ。
でも…」








「誰だって歳は取ります。
それに先生は若く見えます」








「本当…ありがとう」

















先生は笑顔になった。









クラス会を始まってから先生の周囲を皆が囲んでいたが、先生の顔は強張っていた。










だから、しばらく様子を見てから話しかけたけど…















私は先生と話をした。












世間話がほとんどだったけど、先生のことを色々と教えてもらった。











結婚と同時に教師を辞めて専業主婦になることや夫の事等を話した。

















話していて歳のことと若さのことは禁句だと思って触れなかった。