「僕は…もうダメだ。
どんなに頭に浮かぶことを拒絶しても…
衝動を抑えられない」












私は強く抱きしめた。












「僕はまた記憶を消さないといけないのかな。
それが世界のためなのかな。
僕と過ごした『C』の活動も…
ナナミとの思い出も…
なかったことにしないといけないのかな」










ミコト君は泣いていた。











「ミコト君。
今のあなたなら契約の意味がわかる」













「…契約」














「そう、契約よ。
『人を殺さない』代わりに『力を制御する』の」













「でも…」













「私達は約束をした。
それに今のミコト君ならできる」














ミコト君は泣くのを止めた。













「僕は命を代償にその契約をする」












「ミコト君…」






















ミコト君は私から離れた。










周囲の空間が乱れて始めた。








高い能力値を使っていることは私にもわかる。




ミコト君は目を閉じていた。