アカネのお父さんは立ちあがり、山のように積み上がった資料の中から二部取り出して、私に渡した。










私は資料を見ると、それはいくつものグラフが描かれていた。








「これは何ですか」










私は資料の意味がわからず聞いた。










「一部はここ五十年間の各国ごとの経済率を示したものだ。
もう一部は我々が活動した国への活動期間と内容等を示したものだ」









私は二つの資料を見た。









「これと先程の質問が何の意味があるんですか」










「我々は成長しない人々を変えようとしてきた。
しかし、組織が誕生してから現在に至るまでに世界が変わることはなかった。
我々の行動は無意味だろうか。
世界の人々に我々の考えを伝えられないのか。
私は総長の地位についてから気付いてしまった」













「…終止符を打つつもりですか」














「その資料からも分かるように、我々が行動した地域では景気が悪くなる。
場所を移動すると本に戻る。
その繰り返しだ。
結論は我々が行動しなければ、景気は一定に保たれることになる。
我々は世界に存在してはいけない者なのかもしれない」













私は資料を見た。











話通りの内容だった。















「『藤沢ナナミ』、君に導いてほしいことがある。
我々はこれからどうすればいい」











アカネのお父さんは頭を下げた。











私はどうすることもできない。










「もし、私が導いた結果をあなたに伝えたならどうしますか」










「その通りに行動する」










「私が嘘をついても…」