その日から、私の生活は変わった。







今まで本の世界に閉じこもった世界から抜け出すことが出来た。









私は学校以外の時間で遊ぶようになった。









ミコト君と伊藤君、それに後から紹介されたアカネ…









喫茶店、遊園地、映画館…








本の空想世界から現実世界に戻ったことで、見る世界を変えられた。








あの日、ミコト君が話かけてくれたから、私はこの時間を過ごせたのかと思うほどに…





















入学時、ミコト君のことを差別化していた。







自分の思いこみや気持ちで動いてしまった。







外形と記憶、それに想像から導いた結果を頼りに行動した。








ミコト君がどうして話しかけて来たのかはわからない。








学校内で話したこともないのに友達になりたいと思ったのかはわからない。













でも、ミコト君がいたから、学校生活を変えることが出来た。




























母親は学校帰りが遅くなっても怒らなかった。






ある日、母親は私に「学校生活は楽しい」と聞かれたことがあった。







私は「楽しい」と答えた。










母親は笑顔になった。

















本の世界に閉じ込めたことを後悔しているのかもしれない。








けれど、そのおかげで今を楽しめた。







一度は嫌いになったこともあった。









家出をして、両親からも逃げた。








現実逃避をしたこともあった。








でも、その経験があるから、私は今を楽しめた。