「ナナミちゃんが…天才…ですか」







お母さんは動揺していた。








私には『天才』の意味がわからなかった。













「ただ、今はまだナナミさんは幼すぎる。
そのため、現在は天才の卵の中に入っている状態です。
今後の成長次第で天才として産まれるか、あるいは卵が割れてしまうか」










「…どういう意味なんですか」











「ナナミさんは幼いため基本的知識がありません。
一般の子供と同レベルの知識しかない。
そのため、条件から想像する範囲が小さいです。
この範囲を広げるか、それとも変わらないか。
そういう意味です」










「…」











「初診のテストでは二種類のことを見るものです。
一つ目のボードゲームでは決められた条件の中での想像をするもの。
二つ目の認識テストでは条件のない場合のものです。
一般の『活性』能力者は先程も話したように適当な答えをします。
しかし、ナナミさんは一つ目を正解した。
しかし、二つ目は解けなかった。
この点です」















「その点が卵と関係しているんですか」














「はい、たとえ話に使った卵は二つ目のテストことを意味しています。
お母様にナナミさんにテストしたものを見せます」













先生は立ちあがり、本棚に置かれた一冊の本を取り出した。















「お母様、この本のタイトルの意味がわかりますか」