森下先生は黙って聞いていた私に目を向けた。









「ナナミさん、私が見せた本から何も想像が出来なかったんだよね」









「はい」














「普通の『活性』能力者なら、本を見た時、自分の知る情報を頼りに想像が勝手に行われる。
要するに、質問の答えは適当な答えとなるはずなんだ。
だけど、ナナミさんは想像できなかった。一点に集中していた」














「私は表紙しか見なかった」













「そうだよね。
そこが問題なんだ。
『活性』能力者は無意識に能力を使用するため、一点での想像は不可能なはずなんだ。
けれども、ナナミさんはできた。
その前にやったボードゲームでも勝つことは不可能なはずなんだ。
けれども、ルールを教えただけで勝った」
















「…」




















「私の診察結果が正しいのなら、ナナミさんは決められた条件内の情報で想像することができると考えられる。
もし、それが可能なら…ナナミさんは天才だ」