目的地のお店に着いた。




私達は車を降り、受付を済ませた。







会場に向かう途中から賑やかな声が聞こえて来た。







夫が扉を開くと、懐かしい顔の人達がいた。















私達が広場に入ると皆が私たちの方を見た。



注目していたのは私ではない。夫だった。







「ようー、救世主」


「神山君―」









夫はそんな声を無視して人を探していた。





伊藤君が私たちの前に現れた。









「よく来たな。今日の主役は二人だ。
楽しんでくれよ」









そういうと、グラスを私たちに渡した。








「伊藤…僕はお酒が飲めないんだ」





「そうだったな…。ナナミも飲まないんだったよな」





「うん。ソフトドリンクでいいよ」









伊藤君はテーブルに置かれた飲み物を私たちに渡した。
それを私たちに渡した。



















私達は「ありがとう」と言った。





「さて、役者はそろった。
遅刻者が数名いるが始めるとするか」













伊藤君は壇上に上がった。









皆が伊藤君に注目した。