「そうかぃ。
伊藤だって色々と抱えているものがあるんだろ。
俺が昔会ったホークとか…」











「…あいつは…ただの知り合いだ。
ただそれだけだった。
でも懐かしいよ。
亡くなって初めて大切な奴だったと気づかされる。
山本はどうする。
これから…」















「契約書にサインしたんだ。
金額には納得していないが…また仕事をさせてもらう」












「ああ、ありがとう。
山本がいるから俺は正確な情報を得ることができるんだ。
これからも頼む」











伊藤君は目線を私と夫に向けた。













「ミコト、それにナナミ。
二人もいまさらながら『C』を続けてくれてありがとう」













「どうしたの。いつもの伊藤君らしくない」













「いいんだ。
今日の俺は正直なだけだ。
二人が『C』を脱退したとき、焦ったんだ。
あのとき、俺のやっていることは間違いじゃないか。そんなことを考えさせられた。
でも、そのことで俺は新たに考えをまとめることができた。
二人と俺とには利害の合わないと今でも思う。
ミコトは『ヘブン』の外で戦わせ、ナナミは病気になるまで情報からシミュレーションさせた。
俺が関わらなかったら、今頃はもっと幸せな人生を歩めたと思う」















「いいの。
私は伊藤君と活動したから、こうして夫と結婚することができたの。
そうよね。アナタ…」














「僕は…」












夫が伊藤君に近づいた。













「アナタ…」
















「伊藤…僕は聞きたいことがある」