最終日になった。


私達の班はアカネの提案通りに行動した結果、乗り切ることが出来た。


初めは見知らぬ山奥での生活に不安があった。


でも、慣れてしまえば気楽なものだった。










夕方になり、係員が私達の所に来た。


終了を通達し、迎えのバスまで来るように指示を出す。


私達は指示通りに行動した。


山を降りると、バスがあった。


ここまで送ったバスがそこにあった。


乗り込み、人数を確認してから出発した。


バスの中は静かだった。


皆は深い眠りに入ったからだ。


私は外を眺めた。


外は暗くなり、あまり様子が見えなかったが、今までのことを振り返った。


この研修の事、それに世界の事、仕事の事、それに家族の事………


私は数日後にはこの世界を出ることになる。


ここにいる仲間達と共に………


夫とアキトと離れることは寂しい。


でも、少しの辛抱だ。


たった一年弱の期間会えないだけだ。


でも、母親として子供と別れることは辛いことだった。


本当なら、夫とアキトと三人で行きたい。


それも叶わない夢だ。


今までのことに悔いはない。


全て自分が決めたことだ。


後悔はしていない。


窓に移った私の顔は暗く、悲しい表情だった。