「これからも旅を続けるの」















「ええ、まだ若いんで…」















先生の顔が強張った。








私は山本君の腕を掴んだ。










山本君は驚いていた。









小声で「どうした」と言った。








「早くこの場を離れよ」と言ったのに動こうとしない。










「いいわよね。若くて…」














「そうですね。
俺の持ち前は若さと体力ですから」















もう、限界だと思った。












先生が気にしていることを言ってしまったのだから…














先生は頬を膨らませ、挨拶もなくどこかへ行ってしまった。















「先生…」と山本君は言ったが、戻ることはなかった。



















私達は夫が寝ている場所まで戻った。












「どうして、最後に先生は怒ったんだ」









戻る最中、山本君は私に聞いてきた。

















私は答えにくかったのでわからないと話した。