「誰も答えないのね」




嫌な空気が流れた。


残った部隊と調査した部隊の両者で対立が出来兼ねていた。




「アカネ、調査の方はどうだった」




私は話を変えようとした。


このまま、続けても悪い方向にしか進まないと考えたからだ。




「水飲み場を見つけたわ。
山から流れているものよ。
あと、ほかの班を二チーム見つけたわ」




アカネは少し機嫌がよくなった。


その報告を聞いて、私達も嬉しくなった。


第一関門の水を見つけたからだ。




「規則で協力するなと言われているから場所しかわからない。
ただ、二チームとも水飲み場を基準にしているのは確かよ」




調査部隊の帰りが遅かったのは他のチームの様子を見ていたためだったらしい。




「辺りも暗くなったか、今日の調査は終了でいい」




アカネの提案には皆が賛成した。


月の光を頼りに行動しても、暗さはあまり変わらないうえに下手をしたら遭難する恐れもある。


また、この山に住む動物の中に肉食系の動物がいることも考えられた。


私達は授業で動物避けと寒さ対策で火を付けることを学んだ。


火起こしの体験もした。


火の焚き方は知っている。


でも、このサバイバルで出来るかどうか………


アカネの指示で火を付けるように指示されると一人が手を挙げた。


皆が注目する中で、男は一つのライターを持っていた。


彼は煙草を吸うために持っていたと話した。


規則では違反ではないと考えて、ライターで火を焚いた。


暗い森の中で私達は輪になった。