この状況をどうするべきか。


『生物学』の男がいるかぎり、動物を食料にすることは叶わない。


それでは何を食べるべきなのか。


植物を食べるべきだと提案しても、どれが食べれる物なのかがわからない。


話し合いを始めると、提案から愚痴の言い合いになってしまった。


その愚痴の中で、一人が「授業で学んだ事は意味ないんじゃないか………」と言いだした。




「今まで学んだことが何の役に立たない。
頭で技術の知識を学んでも、応用できない。
それでは、学んだ意味がない。
俺達は無駄な時間を過ごしたんだ」




男の愚痴は止まない。




「大体、どうしてこんなところに連れて来られたんだ。
こんな事をするために『W』に入ったんじゃ………」


「止めろ。それ以上言うと許さない」




誰かが、男の愚痴を止めさせた。


また、班内で沈黙の時間が来た。


言いたいことは山ほどあるのだろう。


それを口にしないようにしていた。


誰も話さずにいると、『生物学』の男が戻ってきた。


男は手振れだった。




「遅れて済まない」




男はグループの輪に入った。


皆は男を見た。




「………動物はどうした」




さっき愚痴をこぼした人が話しかけた。




「逃げてしまった」




男は当然のように話した。


皆は目を丸くした。




「動物に首輪を付けていないんだ。
私がしている最中に隙ができて逃げたよ」


「ふざけるな」




大声が辺りに響いた。




怒りが頂点に登ったのか、男は殴りかかった。


『生物学』の男と愚痴をこぼした男は喧嘩を始めた。


誰も止めなかった。


私は止めに入った。


これ以上、状況を悪化させたくなかった。


止めに入ると、男の手が私の肩に当たった。


私は勢いで倒れた。


立ち上がり、男達を見たが、喧嘩は止まない。