「一週間のスケジュールは最初の三日間がサバイバルに関する授業を行う。
内容は多種多様であり、ようするに生きるすべを学んでもらう。
残りの四日間は実践だ。
学んだ知識を活かし、グループを作り、四日間生活をしてもらう」




一週間のスケジュールは輸送された資料と報告書で知っていた。


このシステムは私が提案したためだ。




「ただし…」




山本君の口調が変わった。




「訓練場所はどこかの山奥で行う」


「えっ…」




何人かの人達から驚き声が聞こえた。




「俺はここに来る前に、ここにいる参加者全員を調べさせてもらった。
その結果、訓練施設の建設時に携わっている者が何人もいる。
だから、この訓練施設では行わない」




山本君の仕事が本当に調査部隊だと思えた。




「最後に一つ、時間厳守だ。
決められた時間で決められたことをすること。
以上でガイダンスは終了する。
質問のある人はいるか」




山本君が参加者を見渡すと、一人が手を挙げた。




「どうそ」




手を挙げた男に質問の許可を与えた。




「現実世界に言った感想を教えてくれ」




誰もが聞きたいことだった。


山本君はすぐには答えなかった。


少し考えている。




「なんでもいいんだ。
行って感じたこと…
あるいは経験したことでもいい」




しばらくして、山本君は考えるのをやめ、質問に答えた。




「この訓練が終わったら質問に答える」


「なんでもいいんだ…」




男は必至になっていた。




「ダメだ」




山本君はキッパリと言った。