それぞれの分野で名の知れた者達がこの場所にいる。


私はこの場所にいたくないと感じた。


場の空気なのか、それとも緊張感があるためなのか。


この場所が異様な空間と思えた。




ウィーン………




前の入り口の扉が開いた。


私はどんな人が入ってきたのかが気になり入ってきた人を見た。


そこには私服姿のアカネとヨシトさんがいた。


部屋で話している人達は話すのを止め、アカネ達を見ていた。


アカネ達は周囲を確認し始めた。


すぐに私と目が合った。


アカネは私の近くに来た。私の護衛の人達は今まで以上に背筋を伸ばした。




「隣、座ってもいい」




「うん」




私は荷物を空いている席に置き、席を空けた。


アカネが座り、ヨシトさんはアカネの後ろの席に座った。




「前に話した通り、この部屋にいる人達は選抜部隊よ」




アカネは話し始めた。




「この部屋にいる人達と約一年半を過ごすことになる」




アカネは席に座った参加者を眺めながら話している。




「大丈夫。
この人達は昔からの知り合いよ。
全員『W』の穏健派と信頼できる部下よ。
何かあったら私に相談して」




「ありがとう」




私は頷いた。


アカネが来てからこの部屋の空気が変わった。


アカネが腕時計を見た。




「どうしたの」




私は気になり尋ねた。




「そろそろ、ガイダンスが始まるわ。
ただ、問題が発生してね」




アカネは困った顔をした。




「このガイダンスだけ教官を変更したけど、担当者が行方不明なの。
もしかしたら、時間通りに来るかもしれないと思ったから、探すのを止めて来たけど………」




私は驚いた。




アカネの指示通りに動かない人がいることに…