アカネのお父さんの演説から一年が過ぎた。


現実世界へ向かう人は約2億5千万人


限界人数5億人の半数となった。










『W』は書類をまとめ、世界に散らばった現実世界への参加者に書類を輸送した。


書類内容は日常訓練と訓練施設で行う訓練、現実世界へ向かう日が書かれていた。


『W』が用意した訓練施設には収容人数が1万人だ。


この施設では無人島で暮らす最低現の知識と調査部隊が集めた情報を伝えるために用意されたもの。


さらに、現実世界で生活するチームとの顔合わせでもある。


送られる人にはそれぞれ役割を与えられていた。


人々が暮らす場所を造る者や未開の地への調査部隊、さらには施設外で新しい町を造る者、町が完成された時に暮らす地域分けなどである。


たが、本当の目的は愚かな争いを起こさないためだ。


町を造らせる、町ごとに住むときに技術力が偏るようにした。


これは長期的な考えだった。


現在は現実世界を未開の地となる。


やがては暮らせる地となる。


ここに決められた人の役割も、やがては町の役割にする。


町内で競争社会を造り、技術力を向上させる。










ある程度の計画は立てていた。


だが、未開の地へ行った人が指示通りに行動出来るのか。


『W』は人々を管理する立場として人々を導く。