「今日、私が来たのは、ナナミに聞いてほしい話があるの」




アカネは話したくないような顔をしていた。


私はアカネが話すまで何も言わなかった。やがて、話し始めた。




「私がこれから話すことの答えを決めるのはナナミ自身でいいから。
私は提案するだけ…」


「わかった」




私は息を整えてアカネが話すことに集中した。




「あと二カ月程で現実世界へ送る人々を締め切るにする。
その後、半年の期間で訓練を行い、現実世界へ送る。
一度送った人は戻ることは許されない。
一部を除いてね。
私達『W』は一般人が訓練を行っている間に現実世界へ先に行き、ある程度の環境を整える」




アカネの話したことは訓練施設のシミュレーションを行った際に、私が提案したことだった。


いくら訓練を行い、人数を分割して予定された日ごとに送る。


約一カ月で全て参加者を現実世界へ送ることになっていた。


しかし、訓練を行っていても未開の地で何もないのでは、参加者に不安を与えると考えられた。


そこで、極秘に現実世界へ、選ばれた人のみを送ることにした。




送られる人は、
『W』
生物学
栄養学
建築学
森林学
生態学
植物学
自然学
電気工学
機械工学
医学




衣・食・住のスペシャリストと作業員、総勢二百名が送られる。